CMDを使ってHDDからファイルを簡単かつ無料に復元する方法

Windows PCでコマンドプロンプトを使って、簡単な手順で削除されたファイルを復元することができます。この記事では、コマンドプロンプトの基本的な使い方から、復元したいファイルの種類や名前を指定する方法まで、詳細な手順が紹介されています。コマンドを使用してHDDからファイルを取り戻したい方には非常に役立ちます。

By @Machi 最後の更新 2024年04月03日

コマンドを使用してHDDから失われたファイルを復元できるのか?

「コマンドプロンプト」(CMDまたはcmd.exe)とは、コマンドを使用してWindowsの操作や設定を行うためのツールです。例えば、ディスクとパーティションの管理、データの削除、ハードドライブからのデータ復元に役立ちます。また、USBメモリ、SDカードなどからファイルを復元するためにも使用できます。

誤って削除したり、ハードディスクの破損、ウイルス攻撃などにより重要なデータが失われたりした場合は、イライラするでしょう。HDDからデータが損失する原因は何であれ、データを戻すことが最も重要です。落ち着いて、この記事で紹介する方法に従って失われたファイルを復元してみましょう。

CMDを使用してHDDからファイルを復元する方法

CMDでは、chkdsk、attrib、rescan、formatなどを異なる状況でHDDからファイルを復元するために使用することができます。状況に応じて適している方法を選ぶことができます。

方法1. CMDを使用してHDDから隠しファイルを表示

場合によっては、ファイルが削除されたのではなく非表示になっている場合があります。この可能性を除外するために、chkdskとattribコマンドを使用してHDDから隠しファイルを表示させてください。USBドライブ、メモリーカードなどの他のストレージデバイスにも同じです。

以下の手順に従って、CMDを使用してHDDから隠しファイルを復元する方法を学びましょう。

ステップ 1. 「Win」+「X」キーを押して、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。

ステップ 2. 「attrib -h -r -s /s /d *:\*.*」(「*」をファイルが失われたドライブのドライブレターに置き換えてください)と入力し、「Enter」キーを押します。実行が終了するまで待ちます。

-h:隠し属性をクリアします。
-r:読み取り専用ファイル属性をクリアします。
-s:システムファイル属性をクリアします。
/s:現在のディレクトリおよびそのサブディレクトリの一致するファイルにコマンドラインを適用します。
/d:ディレクトリにコマンドラインを適用します。

方法2. CMDを使用してHDDから削除されたファイルを復元

HDDや他のストレージデバイスでファイルが見つからない場合、ファイルが削除された可能性があります。この場合、chkdskとattribコマンドの両方を使用して、CMDを使用してHDDから削除されたファイルを復元する必要があります。

ステップ 1. 「Win」+「X」キーを押して、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。

ステップ 2. 「chkdsk *: /f 」と入力して「Enter」キーを押します。は削除されたファイルを含むドライブのドライブレターを表します。

▶ 注意:chkdskコマンドは認識されたドライブにしか機能しません。ドライブがRAWになった場合、「RAWドライブにCHKDSKは使用できません」というエラーが表示される場合があります。

ステップ 3. ドライブがロックされている場合は、次のシステム起動時にこのコマンドを実行するように求められることがあります。「y」を入力して「Enter」キーを押して、これを確認します。

ステップ 4. システムを再起動し、ディスクチェックの処理が完了するまで待ちます。CMDでドライブレターを入力し、「Enter」キーを押します。

ステップ 5. 「attrib -h -r -s /s /d *.*」と入力し、「Enter」キーを押します。

復元したすべてのファイルは.chk形式で保存されます。これらを元の形式に変更して、新しい場所に保存することができます。

方法3. Winfr.exeを使用してHDDから削除されたファイルを復元

もしファイルがまだHDDに表示されていない場合は、コマンドラインベースのデータ復旧ソフトである「Windows File Recovery」を使用して、外付けディスクやUSBドライブから削除されたファイルを回復することができます。

次はその基本的な構文です:

winfr source-drive: destination-drive: [/mode] [/switches]

このソフトには、デフォルトモード、セグメントモード、シグネチャーモードの3つの基本的なモードがあります。

  • デフォルトモード:既定のモードで、特に指定しなければこのモードで復元します。
  • セグメントモード:デフォルトモードとは別の方法で復元します。
  • シグネチャーモード:デフォルト、セグメントモードとは違う方法を使って復元します。小さいファイルの復元はできません。

ステップ 1. Microsoft StoreからWindows File Recoveryをダウンロードしてインストールします。検索バーに「Windows File Recovery」と入力し、「管理者として実行」を選択して「Windows File Recovery」を起動します。

ステップ 2. エクスプローラで復元したいファイルが保存されていたドライブに移動し、右クリックし、「プロンプト」を選択し、ドライブのファイルシステムを確認します。

ステップ 3. そして、ファイルシステムとデータ消失状況に応じて復元モードを選択します。スキャン範囲を狭め、スキャン時間を短縮するために、スイッチを選択します。

復元モード

ファイルシステム 状況 推奨モード
NTFS 最近削除した デフォルト
NTFS しばらく前に削除された まずセグメントを、次にシグネチャーを試す
NTFS ディスクをフォーマットした まずセグメントを、次にシグネチャーを試す
NTFS ディスクが破損した まずセグメントを、次にシグネチャーを試す
FATおよびexFAT すべての状況 シグネチャー

スイッチ

パラメータ/スイッチ 説明 対応モード    
/n

/n :ファイル名やパス、ファイル拡張子などを指定してスキャンします。条件を複数指定することもできます。

例:

/n 見積り.xlsx → 見積り.xlsx という名前のファイルをスキャンします。

/n *.pdf → 拡張子.pdfのファイルをスキャンします。

/n \users\(ユーザー名)\Pictures\ → ピクチャフォルダー内のファイルをすべてスキャンします。フォルダーを指定する場合は、最後に必ず \ を入れてください。

/n "\users\(ユーザー名)\Documents\My Data\*議事録*" → ドキュメント内の My Data というサブフォルダに保存されていたファイルで、名前に 議事録 が含まれるファイルをスキャンします。ファイル名、またはパスにスペースが含まれる場合は、" "(ダブルコーテーション)で囲む必要があります。

デフォルト
/y: 特定の拡張子を持つファイルをスキャンします。複数の項目を入力する場合は、カンマで区切ってください。 シグネチャー
/p:

復元操作のログファイルを回復ドライブのデフォルトの場所とは異なる場所に保存します(例:D:\logfile)。

すべてのモード
/segment セグメントモード。ファイルレコードセグメントを使用するNTFSドライブ用の復元オプション セグメント
/signature シグネチャーモード。ファイルヘッダーを使用するすべてのファイルシステムタイプ用の復元オプション シグネチャー
▶ 注意:より多くのスイッチについては「ファイル復元ツール-Windows File Recoveryの使い方」をご参照ください。

ステップ 4. 以下の例に従って、HDDから削除されたファイルを復元します。

フォルダ全体を復元したい場合は、次のようなコマンドを入力します:

winfr C: D: /n \Users\Stephanie\Documents\Test\

「Test」という文字列を含むファイルを復元したい場合は、次のように入力します:

winfr C: D: /r /n Test

正直なところ、多くのユーザーはコマンドプロンプトに使い慣れていません。これらのユーザーには、MyRecoverのようなGUIに基づく使いやすいデータ復旧ソフトをお勧めします。

MyRecoverは、誤削除、ウイルス感染、ディスクフォーマット、システムクラッシュなどの原因によるデータ損失に対応できます。内蔵/外付けHDD/SSD、USBドライブ、SDカードなどからファイルを復元することができます。Windows 7、8、10、11およびWindows Serverに対応しています。

Wordドキュメント、Excelファイル、PPT、写真、動画、圧縮ファイルなど、200種類以上のファイルの復元をサポートしています。復元したファイルは元のファイル名、形式、品質、パスを保持します。

では、次にこのソフトを使用してHDDから削除したファイルを復元します。

ステップ 1. MyRecoverをダウンロードし、インストールして起動します。復元したいファイルが保存されていたボリュームまたはパーティションを選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ 2. MyRecoverは自動的に復元可能なファイルをスキャンします。

ヒント:復元するファイルをより速く見つけたい場合、「フィルタ」を利用することができます。この機能を使えば、種類、更新日、サイズによってファイルを見つけることができます。また、ファイル/フォルダ名を覚えている場合、直接検索バーで検索することもできます。

  • 種類:ドキュメント、画像、動画、オーディオ、メール、ウェブページ、圧縮ファイルから選択できます。
  • 更新日:本日、昨日、過去7日間、過去30日間、カスタムから選択できます。特定の期間に削除されたデータを探したいなら、「カスタム」を選択してください。
  • サイズ:128KB未満、128KB~1MB、1MB~512MB、512MB以上、カスタムから選択できます。

ステップ 3. 復元したいファイルまたはフォルダを選択し、「復旧 xつのファイル」をクリックします。*スキャンの完了を待たずに、ファイルを復元することができます。

👀注意:
  • MyRecoverの無料版では、500MBまでのデータを復元することができます。無制限のデータを復元するには、MyRecoverをProfessionalまたはTechnician版にアップグレードしてください。
  • 新しいドライブを保存先として選択してください。ファイル/フォルダを元のドライブに復元すると、復旧可能なファイル/フォルダの領域が上書きされ、データ復元に失敗する可能性があります。

方法4. コマンドを使用してフォーマットされたHDDからファイルを復元

また、ディスクがフォーマットされた場合に、rescanコマンドを使用して、フォーマットされたHDDからデータを復元することができます。

ステップ 1. 「Win」+「X」キーを押して、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。

ステップ 2. 以下のコマンドを入力し、「Enter」キーを押して1つずつ実行します。

diskpart

list disk

select disk *:(「*」をフォーマットされたディスクのドライブレターに置き換えてください)

rescan

ステップ 3. スキャンが完了するまで待ちます。これにより、フォーマットされたHDDからデータが復元されます。

✍ ハードディスクがシステムディスクである場合は?

もしHDDにシステムパーティションが含まれている場合は、セーフモードからコマンドプロンプトを起動してコマンドを実行する必要があります。

ステップ 1. 「Win」+「I」キーを押して「設定」を開き、「更新とセキュリティ」に移動します。

ステップ 2. 次に、「回復」タブをクリックし、「PCの起動をカスタマイズする」セクションの「今すぐ再起動」ボタンをクリックしてWindows回復環境にアクセスします。

ステップ 3. 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」をクリックします。そして、「スタートアップ設定」画面で「F6」または数字「6」キーを押してセーフモードとコマンドプロンプトを有効にします。

方法5. コマンドを使用して破損したHDDからファイルを復元

ディスクが損傷していると疑われる場合は、DiskPartツールのformatコマンドを試してみてください。重要なデータが含まれている場合は、このコマンドを実行する前に、まず上記の方法を使用してファイルを復元してください。

ステップ 1. 「Win」+「X」キーを押して、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。

ステップ 2. 以下のコマンドを入力します。各行の後に「Enter」キーを押すことを忘れないでください。

list disk

select disk *:(「*」を破損したディスクのドライブレターに置き換えてください)

clean

create partition primary

format fs=ntfs quicks

まとめ

コマンドを使用してHDDからファイルを復元するにはどうすればよいですか?

ファイルが隠れているかどうかわからない場合は、最初にattribコマンドを試してみてください。失われたファイルが表示されていない場合、他の5つの方法を使用してファイルを復元することができます。

コマンドまたはWindowsデータ復旧ソフトは、削除されたファイルを復元する万能薬ではありません。そのため、予期しない障害によるデータ損失を心配している場合は、AOMEI Backupper Standardのような信頼性の高いバックアップフリーソフトで重要なファイル/フォルダを定期的にバックアップすることをお勧めします。