この記事では、AOMEIイメージ展開ツールを使用してWindowsシステムイメージを同一ネットワーク内のパソコンに展開する方法についてご紹介します。また、イメージ展開を行うためのシステムイメージを作成する前にSysprepを使ってパソコンからSID(セキュリティ識別子)を削除する方法もご紹介されます。
PCのセットアップは1台ずつ手作業で行うことはできますが、組織の場合、PCの台数が増えてくるにつれて、手間と時間が非常に増えて1台ずつセットアップすることがとても難しくなってきます。また、セットアップ内容の量が多くなれば多くなるほど、作業ミスが発生する確率が高くなるかと思います。そうなると、1台のPCにかかるセットアップ時間を短縮する必要が出てきます。方法としてはシステムイメージまたはディスクイメージの展開を実行すれば良いわけです。
しかし、システムイメージを同じドメイン内の他のパソコンに展開したあと、SIDが重複するので、不具合が生じることが多いです。例えば、IPアドレスの競合により、一部のコンピューターはドメインから離脱されます。また、同一ドメイン内に同一SIDを持つ複数台のコンピューターがある場合、セキュリティ的に問題もあると思われています。
システムイメージまたはディスクイメージを作成するためのソフト(例えば、AOMEI Backupper)は世の中に沢山ありますが、ほとんどの場合、イメージ展開ツール(例えば、AOMEI BackupperのAOMEI Image Deploy)を使ってイメージを展開する前にSysprepを使ってPCの固有情報(例えば、SID)を消去する必要があります。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によりますと、Sysprep(System Preparation Utility)とは、マイクロソフトによるWindowsオペレーティングシステムを展開するためのシステム準備ツール・ユーティリティーの名前です。現在このツールの実行ファイル名はSysprep.exeです。
簡単にいうと、SysprepはたくさんあるWindows OSマシンに同じような設定を入れる時の展開作業効率化ツールです。Windowsオペレーティングシステムのインストールでは、インストールごとに一意に生成される多くの要素があり、多数のコンピューターにディスクイメージを複製して展開する前にSysprepを使って共通設定情報を消して一般化しておく必要があります。SIDというOS特有な情報を削除するほか、イベントログ、ネットワークの設定、OS のライセンス、ドライバキャッシュなども消去されます。
PCを複製するために、まずは複製元のマスタPCをセットアップします。そして、そのマスタPCからSysprep /generalizeコマンドを実行してSIDを削除します。専用のツール(例えば、AOMEI Backupper)を使ってシステム/ディスクイメージを作成します。最後は、AOMEIイメージ展開ツールを使って、そのイメージを複数のコンピューターに展開します。
手順 1. PCにあるパーティションの情報が記録されるためにSysprepを使ってSIDを削除する前に、AOMEI Backupperを実行してください。
手順 2. Sysprep.exeでSIDを削除します。
手順 3. 前もって作成されたブータブルメディアを使って、コンピューターを起動します。
手順 4. WinPEでフルシステムバックアップまたはフルディスクバックアップを作成します。
手順 5. AOMEI Image Deployを実行して、バックアップイメージを複数台のコンピューターに展開します。