ネットワーク内のWindowsサーバーやPCで共有フォルダなどにアクセスしようとすると、「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません」というエラーメッセージが表示され、うまくアクセスできないことがあります。これが発生した場合どうしたらいいでしょうか?この記事ではその原因、解決策についてご紹介します。
現在、パソコンを複数台持っている人は少なくありません。データの整合性を保つために、共有フォルダを作成するのは最も一般的な方法です。
ネットワーク経由でファイルやフォルダを共有すると、別のパソコンからそのフォルダに読み書きすることが可能になります。この方法でファイルやフォルダーの移動やコピーが簡単になるので、パソコンの間でデータを頻繁に移動・コピーする必要がある方にとってとても便利です。
まとめ:共有フォルダについての注意点●共有フォルダは、複数台のパソコンまたは複数人でフォルダを共有して使いまわせる便利なフォルダです。 ●共有フォルダが、他のパソコンから参照したり、書き込んだり、時には削除したりすることができます。 ●複数台のパソコンが同一ネットワークにある限り、ファイルやフォルダの共有ができます。
しかし、時には、他のPCからネットワーク上の共有フォルダーへアクセスすると「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません」エラーが発生することはあるでしょう。
補足:また、PC⇒コンピューター⇒管理⇒イベントビューア⇒Windowsログ⇒システムでエラーを確認すると、システムログに次のようなイベントメッセージが出力されていることがあります。
次はユーザーからの悩みをいくつか挙げます: (※エラーの対処法を急いで知りたいなら、この部分を無視(´-_ゝ-`)してもOK)
▶WindowsXPのPCからWindows7のPCへネットワーク経由でファイルコピーをすると、数百M~数G程度なら問題は発生しませんが、数十G単位でファイルコピーをすると、途中で「IPアドレスにアクセスできません。このネットワークリソースを使用するアクセス許可が無い可能性があります。アクセス許可があるかどうかこのサーバの管理者に問い合わせてください。このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバで確保できません」エラーが発生し、以後XPのPCから7のPCにアクセスできなくなります。
▶長年お世話になったNorton Internet Securityをアンインストールした。WinXP SP2での動作が重たくなったからだ。ところがその直後から、自宅LANの他のPCにアクセスできない。ポップアップするエラー表示には、「このネットワークリソースを使用するアクセス許可がない可能性があります。アクセス許可があるかどうかこのサーバーの管理者に問い合わせてください。このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません。」とのメッセージ。この問題、どうやって解決したのか?
▶今までWindowsXPのフォルダ共有を行ってきて接続できないことがなかったのですが、新たに構築した別のネットワークシステムでファイルの共有を行おうとすると「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません」というエラーメッセージが出て接続できなくなりました。解決策、教えてくれたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
▶新規購入したWindowsXPの端末で、フォルダの共有を設定したんですが、他のクライアントからアクセスしようとすると「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません。」となりアクセスできません。ご教示いただければ幸いです。
このエラーの発生は、おそらく現代の環境ではめったに関係しないと思われますが、レガシーな環境では発生することもあると思われます。
実はこれはWindowsのServerというサービスで利用しているスタックというメモリが不足する場合に発生するエラーです。(※注:ServerサービスはOSがWindows Serverに限らず、Windows ProfessionalでもWindows Homeでも存在するサービスです。)勝手にスタックサイズを書き換えてしまうため、記憶域が足りなくなる状況もあります。
※要するに、このエラーメッセージが出る場合は共有フォルダがあるパソコンのServerサービスが使用するスタック領域が足りない可能性があるのでレジストリ内のスタック領域の値を増やす事で解決できます。
※【もうちょっと深い解説】このエラーは、接続先のサーバーやパソコンのIRPStackSize(I/O 要求パケット「IRP」のスタック ロケーション数)が小さい場合に発生するようです。IRPStackSizeを大きく設定することにより改善します。
また、ウイルス対策ソフトウェアが原因で同様の症状が出ることもありますが、時間の関係上、ここは割愛します。
では、「このコマンドを処理するために必要な記憶域をサーバーで確保できません」エラーが発生する時の対処方法について詳しくご説明します。
✍対応手順は以下の通り:
補足:IRPStackSizeの項目がない場合Parametersキーを右クリック(或いは右側の空白で右クリック)→新規→DWORD値→「新しい値 #1」の名前を「IRPStackSize」にすることで「IRPStackSize」という値を新規作成することができます。 ※ポイント:値の名前では大文字と小文字が区別されるため、IRPStackSizeは記載どおりに正確に入力してください。
1. Windows 7、8、10、11またはWindows Server 2025、2022、2019、2016、2012に管理者でログインします。
2. Windowsロゴキーを押しながらRキーを押し、「ファイル名を指定して実行」を起動します。
3. 名前に「regedit」と入力してOKボタンを押し、レジストリエディタを開きます。
4. 以下のレジストリキーを辿ります。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanServer\Parameters
5. Parametersキーをクリックし、右側のウィンドウで、名前の「IRPStackSize」をダブルクリックします。
6. 10進数を選び、データの値に11よりも大きい数値(3の倍数)を記入して「OK」します。(※値は、3程度づつ増やすことをお勧めします。つまり、前の値が11の場合は、14と入力してください)
7. レジストリエディタを終了してWindowsを再起動すれば変更完了です。
8. 最後は、services.mscからServerサービスを選択し再起動します。依存サービスであるComputer Browserサービスも同時に再起動されます。
こうすると、共有フォルダがアクセス可能になるわけです。
しかし、上記の手順を実行しても、問題が依然として発生する場合は、IRPStackSizeの値をさらに大きくします。例えば、Windows 2000でこの値の最大値は、50(16進数では0x32)です。面倒なら50まで一気に引き上げても大丈夫のようです。
・Windows NTの場合 範囲は4~12(10進数) ・Windows 2000の場合 範囲は11~50(10進数) ・Windows XPの場合 範囲は11~50(10進数) ・Windows 2003の場合 Windows XPと同じ
※OSによって設定できる範囲が異なるのでご利用の環境に合わせて値を設定してください。
(●'◡'●)補足※蛇足ですが、この同じレジストリキーの中に「Size」という名前があるはずです。この「Size」はネットワークのパフォーマンスに影響を与えます。通常この値は「2」になっているはずですが、この値は「1」はメモリ消費量を最小限にする、「3」はネットワークススループット優先、「2」はその中間をとったバランス優先となります。つまり簡単に言うとこの値を「3」にするとこのマシン上からネットワークへのデータの送受信スピードが多少は速くなるというわけです。
上記の資料では、IrpStackSizeの値を大きくすることが推奨されています。ただし、この値を最大値に設定しても(Windows NT 4.0を実行するコンピュータでは値を最大値の12に設定する、またはWindows 2000を実行するコンピュータでは最大値の50に設定する)、依然としてこの問題が発生することがあります。こういう場合、次のソリューションを試してみることができます。
上述の方法は多くのユーザーに少し難しいかもしれません。また、効果ない場合もあります。そのため、次はファイルまたはフォルダを共有し、アクセスするもっと簡単な方法をご紹介したいです。
✿同期ツールを使う✿AOMEI Backupper Standard(完全無料)はWindows 11/10/8/7/Vista/XPに対応し、パソコン初心者でも簡単に使えます。強力な同期機能を備えて、内蔵ハードディスクのファイルやフォルダを外付けHDD、NASまたはネットワーク上のフォルダに同期させることができます。こちらからダウンロード 毎日、毎週、毎月ファイルが定期的に自動同期できるほか、複数のファイル(フォルダ)が同時に同期できます。また、大きな割引でAOMEI Backupper Professionalにアップグレードすると、電子メール通知を通して操作が正常に完了するかを確認できます。 ❥ヒント:Windows Server 2025/2022/2019/2016/2012(R2)/2008(R2)/2003を実行するコンピュータでは、AOMEI Backupper Server版を使用してください。また、複数(または台数無制限)のサーバーでこの同期機能が必要とされる場合、AOMEI Backupper Technician Plus版(*有償技術サポートの提供も可能)を使用してください。各AOMEI Backupper(AB)バージョンの比較
では、AOMEI Backupperをインストールして起動した後、ネットワーク経由でファイルを共有、同期する手順を見てみましょう~\(*⌒0⌒)♪(ここではAOMEI Backupper Standardを例とする)
1. 「同期」タブ→「ベーシック同期」(デフォルトでは、新しく追加&更新されたファイルのみ同期される)をクリックします。※アドバンスト版にアップグレードした後、必要に応じて「ミラー同期」(同期先のフォルダは常に同期元のフォルダと同じファイルを保持する)または「リアルタイム同期」(如何なる削除/追加/変更操作は同期元のフォルダから同期先のフォルダへ同期される)を選択することも可能です。
2. ここでタスク名を好きなように変更できます。そして「フォルダを追加」をクリックして、共有したいフォルダを選択して「はい」をクリックします。
4. 「ネットワーク場所を追加」をクリックし、「Share/NASのパス」欄に有効なネットワークパス(ネットワーク経路)を入力し、「はい」をクリックします。
●1つのフォルダを追加した後、カーソルをそのソースパスに移動し、漏斗アイコンをクリックし、「フィルタオプション」を開くことができます。この機能によって、特定の拡張子を持つファイルを同期/除外することができます。AOMEI Backupper Professionalで利用可能です。
●同期タスクは他のタスクから区別されるために手順5で「オプション」をクリックし、「設定」タブで現在の操作についてコメントを追加することができます。また、削除操作をソースディレクトリからターゲットディレクトリへ同期するか、同期中にターゲットディレクトリのファイルの整合性を確認するかも選択可能です。
●手順5で「スケジュール」をクリックし、ファイルを自動同期させることができます。デイリー、ウイークリー、マンスリー、イベントトリガー(有料)、USB挿入(有料)の5つの同期モードがあります。
●このフリーソフトは一方向同期のみをサポートしています。
●同期後、ソースフォルダ(同期元)の名前を変更しないでください。さもないと、AOMEI Backupperはそのフォルダを同期させることができなくなります。
●重要なファイル/フォルダをよりよく保護するには、「クラウドバックアップ」でそれらをAOMEI自社のクラウドストレージAOMEI Cloudにバックアップするのをお勧めします。
「このコマンドを処理するのに必要な記憶域をサーバーで確保できません」エラーが発生する時、心配しなくこの記事で紹介されていた方法を試して解決してみましょう。
問題を解決した後、まだAOMEI Backupper Standardを使用してネットワーク経由でファイルをアクセスして移動・コピーすることができます。操作が非常に簡単ですし、様々な強力なオプションがあるため、あまり時間と手間がかかりません。