この記事では、ファイルサーバーの概要、ファイルサーバーの構築方法やファイルサーバーのバックアップ手順などをご紹介します。
★ファイルサーバーとは「ファイル管理としての役割を与えられたサーバー」です。
コンピューターに専用ソフトウェア(主にはWindows Server OS)をインストールして、ファイル管理として活用すれば、そのコンピューターをファイルサーバー(またはWindowsファイルサーバー)と呼びます。つまり、ファイルサーバーは特定のハードウェアを指す言葉ではありません。処理速度の高いサーバーだけでなく、普段使っているパソコンをファイルサーバーにすることもできます。
ファイルサーバーはLAN接続でデータのやり取りを行うのが一般的ですが、インターネットのような外部ネットワークに接続されている場合もあります。
🌱豆知識:LAN接続が当たり前になった今、「LANとは?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。簡単に言えば、LAN(ローカルエリアネットワークの略)とは「社内など内部だけで使えるネットワーク」のことです。LANの普及で、記憶媒体を使用せずネットワークを介してデータのやり取りが行えるため、職場環境が便利になります。
ファイルを自分のデバイスに保存するだけでは、利便性に欠けることがあります。しかし、ファイルをファイルサーバーに保存すれば、ネットワークを通じて複数のクライアントPCやスマートフォンなどのモバイル端末から簡単にアクセスでき、ファイルの共有が容易になります。共有されたファイルは、閲覧だけでなく、許可されたユーザーであれば修正、移動、保存、コピー、削除などの操作を自由に行うことができるため、非常に便利です。
Windowsファイルサーバーのメリットは多くあります。たとえば、「ファイルを管理しやすくなる」「セキュリティ面で安心できる」「大容量のファイル・機能拡張にも対応できる」などです。利便性が上がるだけではなく、安全性もあることは大きなメリットでしょう。
しかし、ファイルサーバーを選択した時には、デメリットを感じることもあるでしょう。たとえば、「費用がかかる」「導入までのプロセスが長い」「管理の複雑化」などです。
ファイルサーバーは単にファイルを入れて共有するだけではなく、さまざまな機能拡張やカスタマイズが可能です。Windows Serverの機能を利用すれば、便利に活用できます。
上記のように、単に共有フォルダを作成し、同じネットワーク内の他のPCやサーバーからアクセスできるようにすることで、サーバーを使用せずにPCをファイルサーバーとして利用することも可能です。
しかし、PCではサーバーにある便利な機能(容量制限など)が利用できないため、やはりサーバーでファイルサーバーを構築するのが理想的です。次に、Windows Serverでファイルサーバーを構築する方法をご紹介します。
ステップ 1. Windows Serverの「サーバーマネージャー」を起動し、「②役割と機能の追加」をクリックします。
ステップ 2. 役割と機能の追加についての情報を確認し、続行するには「次へ」をクリックします。
ステップ 3. インストールの種類を選択します。通常「役割ベースまたは機能ベースのインストール」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 役割と機能をインストールするサーバーを選択します。サーバープールから、今操作しているサーバーのホストを選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 「ファイサーバー」と「ファイルサーバーリソースマネージャー」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。★重要:ファイルサーバーリソースマネージャーでは容量制限等の機能が利用可能なので必ずチェックしてください。
🌱豆知識:Windows Serverでファイルサーバーを構築する際には、MicrosoftのツールであるFSRM(ファイルサーバーリソースマネージャー)を使用してストレージの監視が行えます。FSRMは、Windows Serverに標準搭載されているファイルサーバー管理ツールで、ファイルサーバーの監視、データの管理や分類が可能です。ファイルサーバーで容量制限機能を利用するためには、FSRMを有効化する必要があります。
ステップ 6. 特に何も選択せず、そのまま「次へ」をクリックします。
ステップ 7. 「必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する」にチェックを入れ、「インストール」をクリックします。
ステップ 8. インストールが完了したら「閉じる」をクリックして終了します。
これで、Windowsファイルサーバーの構築が終わります。任意の場所に共有フォルダを作成していけばOKです。
Windows Serverでファイルサーバーを構築するのは手間がかかると感じる方もいるかもしれませんが、実際にはファイルサーバーはWindows Server OSの標準機能の一つです。機能の追加時に、共有フォルダを作成するだけでファイルサーバーの役割が自動的に追加されます(「サーバーの役割の選択」の画面で「ファイルサーバー(インストール済み)」にチェックが入っていることが確認できます)。ただし、ファイルサーバーをさらに有効に活用したい場合は、ファイルサーバーリソースマネージャー(FSRM)を追加し、詳細な設定を行う必要があります。
ステップ 1. サーバーマネージャーを起動し、左ペインで「ファイルサービスと記憶域」をクリックします。
ステップ 2. 「共有」をクリックし、「タスク」⇒「新しい共有」を選択します。
ステップ 3. この共有のプロファイルを選択します。この例では「SMB 共有 - 簡易」を選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 共有を設定するボリュームまたはフォルダを選択します。この例では、特定のフォルダに設定するため、「カスタムパスを入力してください」にチェックを入れ、共有を設定したいフォルダのパスを入力します。
ステップ 5. 共有名など、変更したいところを変更し、「次へ」をクリックします。
ステップ 6. 必要に応じて設定を変更できますが、この例ではデフォルトの選択のまま「次へ」をクリックします。
ステップ 7. アクセス許可を設定します。必要に応じて設定を変更できますが、この例ではデフォルトのまま「次へ」をクリックします。※以下の例では、共有のアクセス許可は「Everyoneフルコントロール」となっています。
ステップ 8. すべての設定を確認し、問題がなければ「作成」をクリックします。
ステップ 9. 共有フォルダの作成が完了したら「閉じる」をクリックして終了します。
作成した共有は一覧にリストされます。これで、ファイルサーバーによる共有フォルダの設定は終わります。
ご覧の通り、ネットワークにつながっていて様々なファイルを管理しているファイルサーバーは、データの保存先としてもよく利用されます。業務で日常的に使用するデータに加えて、重要なデータに関しても、ファイルサーバー内の厳格なアクセス制限を設けたフォルダに格納しておくことができます。それらの大切なファイルを保護するために、ファイルサーバのバックアップは必要不可欠です。
ファイルサーバーをバックアップする理由は主に2つあります。
ファイルサーバーの安全性を向上させる:複数のクライアントに分散していたリスクを一括して集中するので、データ紛失のリスクが高まります。つまり、ファイルサーバー1台に何かトラブル(ハードウェアやハードディスクの故障、不正アクセス、ウイルス感染など)が発生しただけで、全体の障害(すべてのファイルを損失してしまうこと)となります。そのようなリスクを避けるためにファイルサーバーのバックアップを取る必要があります。バックアップをしておけば、万が一の際にも安心です。
ファイルサーバーの容量を増やす:ファイルサーバーに保存するファイルが増えてしまうと、容量不足になったり重くなったりして困ることがあります。もし、ファイルサーバーの容量が限界に近づいたら、バックアップを活用できます。バックアップを作成したら、ファイルサーバーに保存しているファイルを削除して容量を増やすことができます。
☆また、ファイルサーバーのイメージファイルを常に最新の状態に保つために、定期的にデータバックアップを実行することも重要です。
ファイルサーバーバックアップの重要性に気が付いた後、ファイルサーバーをバックアップするための強力なソフトウェア「AOMEI Backupper Server」をご紹介します。ファイルサーバーに対して、ファイル/ディスク/パーティション/システムのバックアップだけでなく、バックアップスケジュール&バックアップスキームの設定、ディスク/システム/パーティションの復元&クローン、ファイル同期(ミラー同期、双方向同期)など、必要に応じて色々な機能を行うことができます。
パソコン初心者でも簡単に使える √ バックアップスケジュールが設定可能 √復元、同期、クローンなどの機能もサポート √ 対応OS: ▸Windows11/10/8.1/8/7/Vista/XP ▸Windows Server 2003/2008/2011/2012/ 2016/2019/2022(R2を含む)
次は、その「ファイルバックアップ」機能でファイルサーバー上に保存されている重要なファイルまたはファイルサーバー上に作成した共有フォルダをバックアップする手順を例として、AOMEI Backupper Serverの使い方を詳しく説明しましょう~
ITサービスプロバイダーや企業である場合、台数無制限のPC向けAOMEI Backupper Technician版と台数無制限のPC&サーバー向けAOMEI Backupper Technician Plus版をお勧めします(*クライアントに技術サポートを有償サービスとして提供できる)。ニーズに応じて適切なバージョンを選択しましょう~
では、この素晴らしい「Windows Server向けバックアップソフト」を使い、ファイルサーバーに設定した共有フォルダのバックアップを取る手順を見て行きましょう。
ステップ 1. AOMEI Backupper Serverをインストールして起動します。「バックアップ」タブ⇒「ファイルバックアップ」をクリックします。
AOMEI Backupperは、クラウドストレージサービス「AOMEI Cloud」を提供しています。重要なファイルやフォルダをより安全に保護するために、「クラウドバックアップ」機能を使用してAOMEI Cloudにデータをバックアップすることをお勧めします。
クラウドストレージにバックアップを保存すれば、インターネット接続がある場所ならどこからでもデータを復元でき、復元時にはログインが必要なため、セキュリティも確保されます。AOMEI Cloud(1TB)は15日間の無料試用が可能ですので、ぜひお試しください。
ステップ 2. ここでは、タスク名を変更できます。「ファイルを追加」または「フォルダを追加」をクリックして、バックアップしたい1つまたは複数のファイル/フォルダを選択します。※この例では、ファイルサーバー上の共有フォルダをバックアップするために「フォルダを追加」をクリックします。
ステップ 3. 「ファイルを開く」ウィンドウは表示されたら、「Share/NAS」をクリックして、画面下部にある「共有またはNASデバイスの追加」をクリックします。
ステップ 4. ポップアップウィンドウで共有フォルダのパス・場所を入力します。次には、対象の共有フォルダを選択して「はい」をクリックします。
※注:ユーザー名とパスワードを入力する必要があるかもしれません。
ステップ 5. ターゲットパス・場所(バックアップの保存先)を選択します。※別の共有フォルダ、NAS、外付けHDD、クラウドストレージなどが選択可能です。
ステップ 6. 最後は、問題なければ「開始」をクリックして、ファイルサーバーで作成された共有フォルダのバックアップを実行します。
これで、ファイルサーバー上の共有フォルダのバックアップ作成が終わります。どうですか?思ったより簡単でしょう!
ご覧の通り、この記事ではファイルサーバーについてのことを色々ご紹介しました。ファイルサーバーを構築する方法やファイルサーバーで共有フォルダを作成する方法、万が一に備え、ファイルサーバーをバックアップする方法を分かりやすく解説しました。
また、Windowsファイルサーバーでスムーズに使用できる優れたファイルサーバーバックアップソフト「AOMEI Backupper Server」も提供しています。AOMEI Backupperは、いつも世界中のデータを守ります。今すぐダウンロードして試してみませんか?
もし、この記事が役立つなら、友達や家族と共有しましょう!また、何か質問や提案がある場合は、またはsupport@aomeitech.comまでご連絡ください。よろしくお願いします。