この記事では、Windows Server バックアップに代わるソフトを使用してHyper-V仮想マシンをバックアップする方法についてご紹介します。
2008年に仮想サーバーを構築するMicrosoft社のソフトウェア「Virtual Server」に代わり公開されたのが「Hyper-V」です。
Hyper-V(ハイパーV、はいぱーぶい)は、マイクロソフトが提供するハイパーバイザベースのx64向け仮想化システムで、1台のコンピュータ(サーバ)で複数の仮想機械を実現する。
--フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』により
◎Windows Server 2008以降に搭載されたサーバ仮想化技術「ハイパーバイザー(Hypervisor)」をベースにする「Hyper-V」は、1台の物理マシン上に仮想パソコンを作り出して、その仮想パソコンを実際のパソコンと同じように動かすことができる機能(ソフト製品)です。
※補足:Hyper-Vを動かすためのプラットフォームとなる物理マシンを「ホストマシン」と呼び、Hyper-Vによって作り出した仮想パソコンを「仮想マシン」と呼びます。「Hyper-V」では1台のホストマシン上に複数の仮想マシンを作成し、それぞれの仮想マシンに別のOSをインストールして起動することが可能です。さらに、仮想マシンは同時に複数、稼働させることができます。
豆知識:Hyper-Vの仮想マシン新規作成手順
Hyper-VのゲストOSのデータを保存するフォルダを事前に作成(Hyper-Vはサイズが大きくなりがちなので容量に余裕のあるドライブを選択)
Windowsキー+Rキーを押し「ファイル名を指定して実行」に「virtmgmt.msc」と入力することで「Hyper-V マネージャー」を起動、右ペインの操作から「新規」をクリック、「仮想マシン」をクリック
「仮想マシンの新規作成ウィザード」開始
「仮想マシン新規作成ウィザードの完了」後に初期設定を実行
先ほども述べたように、Hyper-VにゲストOSをインストール(システム環境を構築)した後、Hyper-Vの仮想マシンは実際のパソコン(サーバー)と同じように動かすことができるため、「Windows Server バックアップ」を正常に使用できるはずです。
仮想マシンを簡単にバックアップするためにドライブ上のHyper-Vフォルダをバックアップする人がいますが、復元した後にHyper-Vが使えなくなる場合もあります。幸いなことに、Windows Server 2008/2008 R2、Windows Server 2012で「Windows Server バックアップ」を使用してHyper-V仮想マシンのバックアップを作成することができます。また、バックアップスケジュールを設定して自動バックアップ/増分バックアップを作成することもできます。
しかし「Windows Server バックアップ」で親パーティションからHyper-V仮想マシンをバックアップするには、「Windows Server バックアップ」でマイクロソフトHyper-V VSS ライターを登録したり、バックアップの対象となるHyper-Vの項目・アイテムをちゃんと確認したりする必要があります。ちょっと面倒くさいです。それに「Windows Server バックアップ」を使用して仮想マシンのバックアップを作成しても、復元時に制限があるので失敗することもあります。例えば、個々の仮想マシン、2つ以上のスナップショットが含まれている仮想マシンを復元できません。
「Windows Server バックアップ」はWindows Server 2012にプリインストールされていないため、まずは「サーバーマネージャー」の「役割と機能の追加ウィザード」から「Windows Server バックアップ」をインストールする必要があります。そして「バックアップスケジュール」で自動バックアップを設定できます。「パフォーマンス設定の構成」をクリックすると「バックアップパフォーマンスの最適化」でパーティション毎に完全バックアップ(フルバックアップ)または増分バックアップを選択できます。
▼「Windows Server バックアップ」を使用してHyper-V仮想マシンをバックアップする手順は次の通りです。
1. サーバーマネージャーから「Windows Server バックアップ」を選択し、「バックアップスケジュール」をクリックします。バックアップスケジュールウィザードが起動した後、「次へ」をクリックします。
2. 「バックアップの構成の選択」画面で「カスタム」を選択します。
3. 「バックアップする項目を選択」画面でバックアップ対象は何も選択されていないため、「項目の追加」をクリックします。「項目の選択」画面でHyper-V仮想マシンの項目にチェックを入れて(もちろん、ほかのドライブにチェックを入れることも可能)「OK」をクリックします。バックアップに必要な項目が選択されていることを確認して「次へ」をクリックします。
4. 「バックアップの時間の指定」画面でバックアップを実行する頻度と時刻を指定します(一日一回または一日数回の設定が可能です)。
5. 「作成先の種類の指定」画面でバックアップ専用のハードディスク(HDD)、ボリューム、共有ネットワークフォルダーをバックアップ先として設定できます。
6. 最後は、バックアップ項目、バックアップ先、バックアップスケジュールなどの情報を確認して、問題なければ「完了」をクリックします。後はスケジュールバックアップが実行されるのを待ちます。
※ヒント:Windows Server バックアップを使ってバックアップからHyper-V仮想マシンを他のHyper-Vに回復することもできます。詳しい情報はこちらへ~
ほとんどのユーザーにとって上記の方法は少し複雑かもしれません。次は、より簡単な方法をご紹介しましょう。つまり、信頼性の高いWindows Server バックアップソフトAOMEI Backupper Server(サードパーティ製)を使ってHyper-Vをバックアップすることです。
誰にとっても使いやすく、初めて見た人でもわかりやすいインターフェースを備えたAOMEI Backupper Serverは、安全かつ高速にHyper-V仮想マシンをバックアップして復元することができます。まずはHyper-VにAOMEI Backupper Serverをダウンロードしてインストールする必要があります。そして仮想マシンとホストマシンの間でバックアップと復元を実行することができます。
▼AOMEI Backupper Serverを使用してHyper-V仮想マシンをバックアップする手順は次の通りです。
1. AOMEI Backupper Serverを起動します。メイン画面で「バックアップ」タブ→「システムバックアップ」をクリックします。必要に応じて「ディスクバックアップ」「ファイルバックアップ」「パーティションバックアップ」も選択可能です。
2. 「システムバックアップ」なら、プログラムが自動的にシステムパーティションをバックアップの対象として選択します。すべきことは、システムイメージを保存する場所(バックアップ先)を指定することです。
3. 「スケジュール」をクリックしてバックアップスケジュールを設定します。AOMEI Backupper ServerはWindows Server バックアップと同じ、最初の完全バックアップの後に増分バックアップがデフォルトで実行されます。また「オプション」をクリックして電子メール通知を有効にしたり、イメージファイルを暗号化したりすることができます。さらに「スキーム」をクリックして古いバックアップを自動で削除することもできます。
4. Hyper-Vバックアップについての設定が終わったら、「開始」をクリックして、Hyper-Vバックアップの作成を実行します。