Western Digital(WD)の外付けHDDからデータを復旧する方法
WDの外付けHDD(WD My PassportやWD Elements)から消えた/誤って削除したファイル、復元するにはどうすればよいでしょうか?この記事では、2つの無料で使えるデータ復旧ソフトとその使い方についてご紹介します。大切なファイルを取り戻したい方、ぜひ読み進めてください。
ユーザー事例:WDの外付けHDDからデータを自力で復旧できるのか?
WD(Western Digitalの略)は、内蔵ハードドライブや外付けハードドライブを含む、ユーザーにデータストレージソリューションを提供してきた、優れたデータストレージデバイスを多数製造しています。
しかし、WD My PassportやWD Elementsシリーズの外付けHDDが使用中に予期せぬ事故が発生することがあります。誤削除、ディスクのフォーマット、ウイルス攻撃などによるデータの損失はある程度避けられません。
WD Elementsのファイルがすべて消えてしまいました。自力で復元できますか?何かおススメのソフトまたはヒントがあれば教えてください。よろしくお願いします。
--ある掲示板からの質問
なぜWDの外付けHDDにあるファイルが消えてしまったのでしょうか?復元するにはどうすればよいでしょうか?同じ問題を抱えている方、ぜひ読み進めてください。
なぜ外付けHDDからファイルが消えるのか?
■ 削除。パーティションやファイル/フォルダを誤って削除したことにより、データが失われることがあります。
■ ディスクのフォーマット。フォーマットで、外付けHDDにあるデータがすべて消去されます。
■ ウイルス攻撃。フィッシングサイトにアクセスしたり、マルウェアに感染したりすることは、ハードドライブを危険にさらします。ウイルスはファイルを隠蔽、削除、または暗号化する可能性があります。
■ システムクラッシュ。予期せぬシャットダウンはデータの書き込みを中断し、データ損失を引き起こす可能性があります。
■ 物理的な損傷。クリック音や頻繁なフリーズは、ディスクやヘッドアセンブリ、その他の繊細な部品の物理的な損傷を示すことがあります。この場合に、データへのアクセスができなくなります。
WDの外付けHDDからデータを復旧する方法
このセクションでは、自力かつ無料でWDの外付けHDDのファイルを復元する2つの方法をご紹介します。
方法1. 使いやすいデータ復旧ソフト-MyRecoverを使用する
外付けハードドライブから削除されたデータはゴミ箱に移動されず、直接完全削除されます。そのため、自力でWestern Digitalの外付けハードドライブのデータを復元したいなら、専門的なデータ復旧ソフトしか利用できません。
データ復元ソフトの中には、専門的な知識がないと使えないものもあります。もしパソコンにそれほど詳しくないなら、心配しないでください。ここでは、使いやすいデータ復元ソフトを紹介します。
MyRecoverは専門的かつ信頼性の高いWindowsデータ復旧ソフトです。わかりやすくて直感的なインターフェースを搭載し、3つのステップだけで、紛失/削除したファイルを簡単かつ迅速に復元することができます。初心者でも気軽に使えます。
多くのツールがデータを復元できますが、ファイルのパス、ファイル名、品質をそのまま保持することはほとんどありません。しかし、このソフトはそれが可能です。また、次のようなメリットもあります:
- 高い復旧率で、迅速に失われたファイルを取り戻すことができます。
- 異なるストレージデバイスのデータ復元に対応:外付け/内蔵HDD/SSD、SDカード、USBメモリから失われたデータの復旧をサポートしています。
- 様々な原因によるデータ損失に対応:誤削除、ディスクフォーマット、ウイルス感染などによって失われたデータを復旧できます。
- 複数のファイル形式をサポート:jpg、png、mp4、mov、doc、xlsx、pdf、zip、rarなど1000種類以上のファイルの復元をサポートしています。
- ハイライト機能:スキャン中にファイルの検索、フィルタリング、プレビュー、復元が可能です。
- 互換性が高い:Windows 11/10/8/7およびWindows Serverに対応しています。また、NTFS、FAT32、exFAT、ReFSなどさまざまなファイルシステムをサポートしています。
では、MyRecoverをダウンロードしてインストールし、以下の手順に従ってWD外付けHDDから消えた・削除されたファイルを復元しましょう。
ステップ 1. WD外付けハードドライブをスキャンします。
MyRecoverを起動します。マウスを接続した外付けHDDに移動し、「スキャン」をクリックします。
ステップ 2. フィルターまたは検索バーを利用して検索範囲を絞り込みます。
MyRecoverは自動的に復元可能なファイルをスキャンします。復元するファイルをより速く見つけたい場合、「フィルター」を利用して種類、更新日、サイズによってファイルをフィルタリングすることができます。また、ファイル名や拡張子を覚えている場合、直接検索バーで検索することもできます。
ステップ 3. 必要なファイルを選択して復元します。
復元したいファイルまたはフォルダを選択し、「復旧 xつのファイル」をクリックし、保存先を選択して復元します。*スキャンの完了を待たずに、ファイルを復元することができます。
- MyRecoverの無料版では、500MBまでのデータを復元することができます。無制限のデータを復元するには、MyRecoverを製品版にアップグレードしてください。
- 新しいドライブを保存先として選択してください。ファイル/フォルダを元のドライブに復元すると、復旧可能なファイル/フォルダの領域が上書きされ、データ復元に失敗する可能性があります。
方法2. Microsoftから提供しているデータ復旧ツール-Windows File Recoveryを使用する
サードパーティー製のデータ復旧ソフトを除いて、Microsoftが提供するコマンドラインツールである「Windows File Recovery」を利用することもできます。このツールを使用すると、誤って削除されたファイルや破損したファイルを回復することができます。
NTFS、ReFS、FAT、exFATなどのファイルシステムをサポートしており、ハードドライブ、SSD、USBフラッシュドライブなどのストレージメディアからデータを回復することができます。
ただし、コマンドラインベースのツールであるので、一般ユーザーには使いにくいかもしれません。また、誤った操作を行うと、既存のデータを破損させる可能性もあります。
Windows 10 バージョン 2004(ビルド 19041)以降にのみ対応しています。
ステップ 1. WD My PassportまたはWD Elementsをパソコンに接続します。「Win」+「E」キーを押して「エクスプローラ」を開きます。接続した外付けHDDを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「ファイルシステム」でそのファイルシステムを確認します。
ステップ 2. 外付けHDDのファイルシステムとデータ損失の状況に応じて、モードを選択します。
ファイルシステム | 状況 | 推奨モード |
NTFS | 最近削除した | デフォルト(Default) |
NTFS | しばらく前に削除された | まずセグメント(Segment)を、次にシグネチャー(Signature)を試す |
NTFS | ディスクをフォーマットした | まずセグメントを、次にシグネチャーを試す |
NTFS | ディスクが破損した | まずセグメントを、次にシグネチャーを試す |
FATおよびexFAT | すべての状況 | シグネチャー |
ステップ 3. 対象のファイルを指定するため、スイッチを選択します。
パラメータ/スイッチ | 説明 | 対応モード |
/n |
/n :ファイル名やパス、ファイル拡張子などを指定してスキャンします。条件を複数指定することもできます。 例: /n 見積り.xlsx → 見積り.xlsx という名前のファイルをスキャンします。 /n *.pdf → 拡張子.pdfのファイルをスキャンします。 /n \users\(ユーザー名)\Pictures\ → ピクチャフォルダー内のファイルをすべてスキャンします。フォルダーを指定する場合は、最後に必ず \ を入れてください。 /n "\users\(ユーザー名)\Documents\My Data\*議事録*" → ドキュメント内の My Data というサブフォルダに保存されていたファイルで、名前に 議事録 が含まれるファイルをスキャンします。ファイル名、またはパスにスペースが含まれる場合は、" "(ダブルコーテーション)で囲む必要があります。 |
デフォルト |
/y: | 特定の拡張子を持つファイルをスキャンします。複数の項目を入力する場合は、カンマで区切ってください。 | シグネチャー |
/p: |
復元操作のログファイルを回復ドライブのデフォルトの場所とは異なる場所に保存します(例:D:\logfile)。 |
すべてのモード |
/segment | セグメントモード。ファイルレコードセグメントを使用するNTFSドライブ用の復元オプション | セグメント |
/signature | シグネチャーモード。ファイルヘッダーを使用するすべてのファイルシステムタイプ用の復元オプション | シグネチャー |
ステップ 4. Microsoft StoreからWindows File Recoveryをダウンロードしてインストールします。検索バーに「Windows File Recovery」と入力し、「管理者として実行」を選択して「Windows File Recovery」を起動します。
ステップ 5. Windows File Recoveryの基本的なコマンドは次の通りです。先選択したモードとスイッチをそこに貼り付けます。
winfr (ソースドライブ): (ターゲットドライブ): [/選択したモード] [/選択したスイッチ]
- ソースドライブ:回復したいファイルが存在するドライブのパスを指定します。ここでは、WD外付けHDDのドライブ文字を指定ください。
- ターゲットドライブ:回復したファイルを保存するフォルダのパスを指定します。*ソースドライブと同じにしないでください。
例えば、Fドライブのjpgファイルをファイル名とパスを保持したままにⅮドライブに復元したい場合、次のようなコマンドと入力し、「Enter」キーを押して実行します。
winfr F: D: /extensive /n *.jpg
ステップ 6. 「Continue?」が表示されると、「y」と入力し、「Enter」キーを押してスキャンと復元を確認します。
WDはデータ復旧を提供しているのか?
多くのストレージデバイスメーカーは、データの損失に対処するためのデータ復旧手段を提供しています。
例えば、Seagateはユーザーのためにデータレスキューサービスを提供しており、誤ってSeagate外付けハードドライブをフォーマットしたり、他のデータ損失の状況に遭遇した場合に使用することができます。
WDにも例外はありません。WDはユーザー向けのデータ復旧プランを提供しています。ユーザーは対象製品に特定のプランを購入し、プランの期間内(通常は2〜3年)に発生したデータの損失に関して請求することができます。
WDの保証はデータ復旧をカバーしているのか?
保証はデータ復旧プランをカバーしていません。デバイスを購入する際に追加のプランを加える必要があります。また、一部の製品のみデータ復旧プランが提供されています。
プランがない場合、損傷の程度に応じて7万円から20万円の費用がかかる可能性があります。
高額になるため、まずはご自身でのデータ復旧をお勧めします。ご自身で復旧できない場合は、WDデータ復旧サービスにご相談ください。
最後に
この記事では、WD My Passport/ElementsなどのWDの外付けHDDから紛失/削除したデータを復元する方法を2つご紹介しました。これらの方法で必要なファイルを取り戻してきましたか?
大切なファイルをデータ損失から守りたいなら、バックアップが不可欠です。すべてのデータ復旧の方法でもデータをきっと復元できることを確保できませんが、バックアップがあれば、どんな原因によるデータ損失でも簡単に対応できます。今すぐバックアップを作成しましょう。
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