Windows Server 2012 R2を2019にアップグレード|完全ガイド
同じハードウェア上でWindows Server 2012 R2を2019にアップグレードし、すべてのサーバーの役割とデータをそのまま維持するには、インプレースアップグレードがよいでしょう。理論的には、データを削除することはないはずですが、念のために、事前にバックアップをとっておくのをお勧めします。
Windows Server 2012や2012 R2などの古いシステムをまだ使用している場合は、Windows Server 2019にアップグレードする時期が来ている可能性があります。以下は、その原因です:
- 新しいシステムは、新しいサービスやアプリケーションとの互換性がより優れています。
- Windows Server 2019では、Linux Containers、Windows Subsystem for Linux(WSL)などの新機能や、新しいWindows Server 2019アプリケーション基盤により、Linuxの統合が容易になります。
- Windows Server 2019は、セキュリティの強力な基盤の上に構築されています。脅威をブロックするだけでなく、脅威を監視し、対応することができるようになりました。
- Windows Server 2019は、クラウドとの連携やクラウドでの利用を想定して設計されています。ユーザーが既存のローカル環境をMicrosoft Azureに接続することがより容易になりました。
また、Windows Server 2012 R2は2018年にメインストリームサポートが終了し、延長サポートの終了は2023年です。MicrosoftはWindows Server 2019のような新しいOSに注力するということで、アップグレードすることでより良いフォローアップ支援を受けられるようになります。
Windows Server 2012 R2は2019にアップグレードできるのか?
答えは「YES」です。インプレースアップグレードは、サーバーを初期化にすることなく、すべての設定、サーバーの役割、データをそのままに、古いシステムを新しいシステムに直接アップグレードすることができます。
下図のように、インプレースアップグレードは直線的に接続された2つのOS間でサポートされているので、Windows Server 2012 R2を直接2019にアップグレードすることができます。
ただし、Windows Server 2012を2019にアップグレードしたい場合は、まず2016にインプレースアップグレードし、次に2016を2019にアップグレードする必要があります。そうしないと、クリーンインストールするしかなく、データの消失を防ぐには、事前にサーバーをバックアップしておく必要があります。Windows Server 2008(R2)などの古いOSでも同じです。
Windows Server 2019アップグレードのための必見情報
◉ Windows Server 2019には独自のシステム要件があります。お使いのパソコンが最低基準を満たさない場合、Server 2019へのアップグレードは正常に行えません。
プロセッサ |
1.4GHz 64ビット プロセッサ x64命令セット対応 NXとDEPのサポート CMPXCHG16b、LAHF/SAHF、およびPrefetchWのサポート 第2レベルのアドレス変換(EPTまたはNPT)のサポート |
RAM |
512MB(デスクトップエクスペリエンス搭載サーバーインストールオプションを使用したサーバーの場合、2GB) ECC(誤り訂正符号)型または同様のテクノロジ(物理的なホストの展開の場合) |
記憶域コントローラーとディスク領域 | 32GB |
◉ Windows Server 2012 R2から2019へのアップグレードはいくらかかりますか?この質問には、ハードウェアや仮想化など、いろいろな要素が絡んできますね。しかし、アップグレードのためのライセンス費用を意味するのであれば、答えは明らかです。Microsoftはアップグレードセールを行っていないので、コピーかWindows Server 2019を別途購入する必要があります。以下、参考までにリストアップしておきます。
エディション | 対象デバイス | ライセンスモデル | CALの要件 | 価格設定OpenNL ERP(USD) |
データセンター | 高度に仮想化されたデータセンターとクラウド環境 | コアベース | 必要 | $6,155 |
スタンダード | 物理環境または最小限に仮想化された環境 | コアベース | 必要 | $972 |
Essentials | 最大25人のユーザーと50台のデバイスを備えた中小企業 |
特殊サーバー |
必要なし | $501 |
◉ Server 2012 R2から2019へのインプレースアップグレードは、パブリックまたはプライベートクラウド企業でもサポートされている場合がありますが、詳細についてはクラウド事業者に確認する必要があります。また、VHDから起動するように構成されたWindows Serverでは、インプレースアップグレードを使用してアップグレートできません。Windows Storage ServerからWindows Server 2019へのインプレースアップグレードもサポートされていません。この場合、代わりに移行またはクリーンインストールを行うことができます。
Windows Server 2012 R2を2019にインプレースアップグレードするガイド
◎ アップグレード前の準備作業:
1. Windows Server 2012 R2に最新の更新プログラムを適用します。
2. Windows Server 2019のインストールメディアをパソコンに挿入してマウントします。
3. アップグレードの前に、Microsoftはデバイスのいくつかの情報を収集することを提案します。アップグレードが失敗したときに、トラブルシューティングのために使用することができます:
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「C:\Windowssystem32」に移動し、「systeminfo.exe」を実行します。システム情報を任意の場所にコピーして保存します。
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「コマンドプロンプト」を開き、「ipconfig /all」と入力し、「Enter」キーを押します。設定情報を上記と同じ場所にコピーして保存します。
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「レジストリエディター」を開き、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion」に移動し、Windows Server BuildLabEx(バージョン)とEditionID(エディション)を上記と同じ場所にコピーして保存します。
4. インプレースアップグレードは、理論的には何も削除しないはずですが、データ消失の事例も報告されています。そのため、関連情報を収集した後、OSと重要なデータのバックアップを取ることをお勧めします。
5. インプレースアップグレード中は、仮想マシンを稼働させることができないことに注意してください。
◎ Windows Server 2019 のインプレースアップグレードを実行:
ステップ 1. Windows Server 2019のインストールメディアを見つけて、「setup.exe」を実行します。
ステップ 2. 「更新プログラム、ドライバー、オプション機能をダウンロードする(推奨)」を選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 3. デバイス構成の確認に時間がかかるので、終了したら「次へ」をクリックします。
Windows Server 2019インストールメディアの配布経路によっては、続行するためにライセンスキーの入力が必要な場合があります。
ステップ 4. インストールするWindows Server 2019のエディションを選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 規約に同意し、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択します。「次へ」をクリックして続行します。
ステップ 6. しばらく待って、「インストール」をクリックするとアップグレードが開始されます。終了後、PCが自動的に再起動します。
これでServer 2012 R2を2019にインプレースアップグレードしましたが、もう少し時間をかけて操作が成功するかどうかを確認しましょう:
レジストリエディターを開き、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersionに移動し、ProductNameにWindows Serverのエディションを確認します。
アップグレード後のデータ消失に備えてサーバーをバックアップする
Windows Serverには、「Windows Server バックアップ」というバックアップ機能が搭載されていますが、使ったことがある人なら、複雑で遅く、十分な機能を持っていないことに気がつくでしょう。また、バックアップの上限が2TBであることや、同じバックアップ先に1つのバックアップしか保存できない、個別ファイルのバックアップ機能がないことなど、いくつかの顕著な制限があります。
これらの懸念があるため、Windows Server バックアップの代替ソフト-AOMEI Backupper Serverの使用をお勧めします。これは、Windows Serverのために開発されたバックアップ&復元ソフトです。このソフトは:
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Windows Server 2003/2008/2011/2012/2016/2019/2022(R2を含む)、Windows SBS 2003/2008/2011およびWindows XP/Vista/7/8/8.1/10/11に対応しています。Windows Server 2012 R2を2019に、2016を2019に、2022にアップグレードする場合でも、このソフトウェアを使用して、サーバーを外付け/内蔵ハードドライブ、NAS、共有フォルダ、クラウドストレージなどにバックアップすることができます。
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ファイル&フォルダ/パーティション/ディスク/システムバックアップの4つのバックアップモードをサポートしています。
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自動バックアップ、変更された部分のみバックアップする増分/差分バックアップ、古いバックアップの自動削除、異なるハードウェアの別のPCへ復元できる「ユニバーサル復元」など様々な高度な機能を備えています。
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いくつかのクリックだけでバックアップ&復元を実行できます。WSBよりもはるかに簡単です。
では、AOMEI Backupper Serverを使って、Windows Server 2012 R2をバックアップする方法をご案内します。開始する前に、まずAOMEI Backupper Serverをダウンロードします。
ステップ 1. AOMEI Backupper Serverを開きます。「バックアップ」をクリックし、ニーズに応じてバックアップモードを選択します。ここでは、「ファイルバックアップ」を例として説明します。
ステップ 2. 「フォルダを追加」または「ファイルを追加」をクリックして、バックアップするデータを選択します。矢印下のボックスまたは逆三角形アイコンをクリックし、保存先を指定します。
ソースフォルダをバックアップする場合、ソースフォルダを追加した後、カーソルをソースパス上に移動し、漏斗アイコンが表示され、そのアイコンをクリックし、特定の拡張子のファイルをバックアップ/除外することを設定できます。
ステップ 3. 下部の3つのオプションをクリックし、ニーズに応じてバックアップをカスタマイズします。すべての設定を確認し、問題がなければ、「開始」をクリックします。
- オプション:バックアップファイルの圧縮/分割/暗号化、バックアップ完了後のメール通知などを設定できます。
- スケジュール:自動バックアップを設定できます。毎日/毎週/毎月/イベントトリガー(サインイン/サインアウト、システム起動/シャットダウン)/USB挿入の5つの自動バックアップモードをサポートしています。
- バックアップスキーム:フル/増分/差分バックアップ、古いバックアップの自動クリーンアップを設定できます。バックアップ先の容量を節約したい場合、このオプションの設定をお勧めします。
この簡単な操作で、Windows Server 2012 R2を2019にアップグレードする前に、重要なデータをすべてバックアップできます。そのため、アップグレードの過程で何か問題が発生しても、重要なファイルを簡単に復元したり、OSを以前の状態に戻したりすることができます。
まとめ
Windows Server 2012 R2を直接2019にインプレースアップグレードすることができ、理論的に、このプロセスでファイルが削除されることはないはずです。しかし、念のためにデータ損失を避けるために、やはり重要なファイルを事前にバックアップすることをお勧めします。それに、クリーンインストールでServer 2012または2008を2019にアップグレードしたい場合、バックアップは特に不可欠です。
AOMEI Backupperは高い互換性と完全な機能で、Windows Serverにとって理想的なバックアップ&復元ソリューションです。基本的なデータ保護に加えて、Windows Serverをクラウドに自動バックアップ、Windows Serverを異なるハードウェアの別のPCへベアメタル復元、Windows Serverを仮想マシンに復元なども可能です。今すぐダウンロードし、体験しましょう!