【解決策】Windows Server 2016でシステム状態のバックアップに失敗
Windows Server 2016でWindows Server バックアップを使用する際、システム状態のバックアップに失敗する問題でお困りではありませんか?この記事では、この問題が発生する原因と3つの解決策をご紹介します。
システム状態のバックアップとは?
システム状態のバックアップは、オペレーティングシステムファイルをバックアップすることです。問題が発生した場合に、このバックアップによって、サーバーをロールバックすることができます。それに、そのバックアップを使って、同じハードウェアを持つ別のサーバーを復元することもできます。
システム状態のバックアップには以下のものが含まれます:
- ドメインメンバー:ブートファイル、COM+データベース、レジストリ
- ドメインコントローラ:Active Directory(NTDS)、ブートファイル、COM+データベース、レジストリ、システムボリューム(SYSVOL)
- クラスターサービスを実行しているコンピューター:クラスターサーバーのメタデータもバックアップします。
- 証明書サービスを実行しているコンピューター:証明書データもバックアップします。
Windows Server 2016でシステム状態のバックアップに失敗する原因
一部のWindows Serverユーザーから、Windows Server バックアップでシステム状態のバックアップに失敗したとの報告がありました。その代表的な原因は、次の2つに要約されます。
✹ ユーザー事例:
日本マイクロソフト様。Windows Serverバックアップで「バックアップを完了できませんでした。システム ライターがバックアップに見つかりません。」のエラーが発生してバックアップできません。本当に困っています。どうか、助けてください。
「%windir%\winsxs\filemaps\」または「%windir%\winsxs\temp\PendingRenames」ディレクトリのファイルに対するアクセス許可が正しくないため、このエラーが発生します。または、「COM+Event System」サービスへのアクセス許可の問題もこのエラーにつながることがあります。
✹ ユーザー事例:
コマンドラインよりwindows server backupを行いたいのですが、「wbadmin start backup -backupTarget:バックアップ用ボリューム -include:C:\フォルダ1,C:\フォルダ2 -vssFull」という構文を実行すると、このエラーが発生してしまいます。
このエラーが発生する原因は、あるドライバのImagePathの情報が正しくありません。通常、各ドライバの情報は、ドライバのインストール時にレジストリに保存されており、この情報の一つであるImagePathに正しくない値が入力されていることにより、列挙に失敗して、バックアップ取得に失敗しています。
Windows Server 2016でシステム状態のバックアップの失敗を修正する方法
システム状態のバックアップが失敗する原因を知った以上、どのようにこの問題を解決すればよいでしょうか?これから、システム状態のバックアップの失敗を修正する3つの方法をご紹介します。この問題で悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
方法1. サービスを開始または再起動する
Window Server バックアップでシステム状態のバックアップに失敗した場合、まず「Windows サービス」に移動してサービスを開始または再起動することを試みます。
手順 1. 「Win」キー+「R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。「services.msc」と入力し、「Enter」キーを押します。
手順 2. 以下のサービスを見つけて、右クリックし、「開始」または「再起動」を選択します。
☛ COM+ Event System
☛ COM+ System Application
☛ Distributed Transactions Coordinator
☛ Microsoft Software Shadow Copy Provider
☛ Volume Shadow Copy
☛ NetWorker Remote Exec Service
☛ Cryptographic Service
その後、もう一度Window Server バックアップでシステム状態をバックアップしてみてください。またうまくいかない場合は、次の方法を使用してください。
方法2. Winsxsフォルダのアクセス権を変更する
Winsxsフォルダ内のファイルのアクセス権が正しくない場合も、システム状態のバックアップに失敗する可能性があります。アクセス権を変更することで、この問題を解決することができます。
手順 1. スタートボタンを右クリックし、「コマンド プロンプト(管理者)」を選択します。
手順 2. 以下のコマンドを入力し、各コマンドの入力後に「Enter」キーを押します。
▸ Takeown /f %windir%\winsxs\temp\PendingRenames /a
▸ icacls %windir%\winsxs\temp\PendingRenames /grant "NT AUTHORITY\SYSTEM:(RX)"
▸ icacls %windir%\winsxs\temp\PendingRenames /grant "NT Service\trustedinstaller:(F)"
▸ icacls %windir%\winsxs\temp\PendingRenames /grant BUILTIN\Users:(RX)
▸ Takeown /f %windir%\winsxs\filemaps\* /a
▸ icacls %windir%\winsxs\filemaps\*.* /grant "NT AUTHORITY\SYSTEM:(RX)"
▸ icacls %windir%\winsxs\filemaps\*.* /grant "NT Service\trustedinstaller:(F)"
▸ icacls %windir%\winsxs\filemaps\*.* /grant BUILTIN\Users:(RX)
▸ net stop cryptsvc
▸ net start cryptsvc
手順 3. システムライターが「vssadmin」に表示されていない場合は、以下のコマンドを入力し、「Enter」キーを押します:
☛ vssadmin list writers
手順 4. 「Win」キー+「R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。「regedit」と入力し、「Enter」キーを押して「レジストリ エディター」を起動します。
手順 5. 以下のキーに移動します:
☛ HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\VSS\VssAccessControl
「NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE」の値を「1」に変更して、「OK」をクリックします。
方法3. レジストリエディターでImagePathの値を修正する
Windows Server 2016でWindow Server バックアップを使用して、システム状態のバックアップに失敗する場合、あるドライバのImagePathの情報が正しくないことが原因である可能性があります。以下の手順に従って、ImagePathの値を修正しましょう。
手順 1. ImagePathの値を修正する前に、そのImagePathの情報が正しくないドライバを見つける必要があります。スタートボタンを右クリックし、「コマンド プロンプト(管理者)」を選択します。
手順 2. 下記のコマンドを入力し、「Enter」キーを押します:
☛ DiskShadow /L writers.txt
手順 3. 次に、以下のコマンドを入力し、「Enter」キーを押します:
☛ list writers detailed
しばらくすると、ライターと影響を受けるボリュームがすべて表示されます。
手順 4. メモ帳で「writers.txt」を開き、「Ctrl」キー+「F」キーを押して、「検索」が表示されます。「windows\\」と入力して、「Enter」キーを押して、以下のように表示されるはずです。
☛ File List: Path = c:\windows\\systemroot\system32\drivers, Filespec = vsock.sys
手順 5. ということで、問題の原因は「vsock.sys」です!これを解決するためには、「レジストリ エディター」に、パスを修正する必要があります。「Win」キー+「R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。「regedit」と入力し、「Enter」キーを押して「レジストリ エディター」を起動します。
手順 6. 以下のキーに移動します。
☛ HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\vsock
手順 7. そして、「ImagePath」をダブルクリックし、値を以下に変更します:
☛ System32\DRIVERS\vsock.sys
手順 8. Windows Server バックアップでシステム状態のバックアップを再度実行して、問題が解決されたかどうかを確認します。
Server 2022/2019/2016でシステム状態をバックアップする簡単な方法
より安定した方法を探している方には、サードパーティ製のプロのバックアップソフト-AOMEI Backupper Serverの使用をお勧めします。このソフトは、Windows Server 2003(R2)/2008(R2)/2012(R2)/2016/2019/2022とWindows 11/10/8.1/8/7/Vista/XPに対応しています。ビジネスに継続的なデータ保護を提供し、データのバックアップと災害復旧をより簡単に実現できます。
また、このソフトは、操作が非常に簡単で、数回のクリックだけで、バックアップを実行することができます。パソコンに精通していない方でも、気軽に使えます。バックアップ用ソフトとして、以下の利点があります:
- 複数のストレージデバイスに対応しています。サーバーを外付けHDD、NAS、共有フォルダ、クラウドドライブなどのストレージデバイスにバックアップすることができます。
- 複数のファイルシステムのパーティションのバックアップに対応しています。NTFSに加えて、FAT32/FAT16/exFAT/ReFS/Ext2/Ext3/Ext4及び他のファイルシステムでフォーマットされたパーティションのバックアップに使用することもできます。
- フル/増分/差分バックアップの3つのバックアップ方法に対応しています。増分/差分バックアップを使用すると、最初にフルバックアップを実行し、その後は変更・追加された部分だけをバックアップします。バックアップが常に最新バージョンを保持できますし、バックアップ時間も節約できます。
- Microsoft VSSとAOMEIバックアップサービスの2つのバックアップサービスに対応しています。Microsoft VSSが動作しない場合でも、AOMEIバックアップサービスを使用して続行することができます。
このソフトでWindows Serverのシステム状態をバックアップすると、バックアップ中にエラーを回避することができます。では、以下の手順に従って、Windows Serverのシステム状態をバックアップしましょう:
手順 1.AOMEI Backupper Serverをダウンロードし、インストールします。
手順 2. AOMEI Backupperを開きます。「バックアップ」→「システムバックアップ」を選択します。
手順 3. デフォルトでは、サーバーの実行に必要なドライブは既に選択されます。保存先だけを選択すればよいです。
手順 4.(オプション)左下にある3つのオプションをクリックして、バックアップをカスタマイズすることができます。
✽ オプション:このオプションでは、バックアップにコメントを追加したり、バックアップイメージの圧縮/分割/暗号化、使用されているセクターのみバックアップする「インテリジェントセクターバックアップ」/すべてのセクターをバックアップする「完全なバックアップ」、VSSなどを設定したりすることができます。
✽ スケジュール:自動バックアップの実行を設定することができます。毎日/毎週/毎月/USB挿入/イベントトリガー(サインイン/サインアウト、システム起動/シャットダウン)の5つの実行方式をサポートしています。
✽ スキーム:フル/増分/差分バックアップ、古いバックアップの自動クリーンアップを設定できます。
手順 5. 最後に、「開始」をクリックして、バックアップを始めます。
まとめ
以上、Windows Server 2016でWindow Server バックアップを使用して、システム状態のバックアップに失敗する問題について詳しくご紹介しました。パソコンに疎い方には、このエラーを修復することが少し難しいかもしれませんね。
もしこのような問題を避けたいなら、この記事で紹介したAOMEI Backupper Serverを使って、サーバーを保護することをお勧めします。また、このソフトで、Windows Server 2022の回復ドライブを作成することもできます。今すぐダウンロードし、体験しましょう!